絵本翻訳のリアル記録 “だっこして”って英語でなんて言う?

絵本『You Know What? Today…』Parenting部門1位記念ビジュアル AI活用
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“だっこして”って英語でなんて言う?絵本翻訳のリアル記録

―バイリンガル著者とAIで進めた、ことば選びの試行錯誤

はじめに

「だっこして」って、英語でなんて言うんだろう?
翻訳作業の中で、そんな小さな一言にたくさん悩みました。

今回は、日本語の絵本『あのね、きょうね、』を英語に翻訳していく過程で出てきた、
“感情をどう英語で伝えるか”というリアルな記録をまとめました。

AIの力を借りつつ、バイリンガルとしての視点も生かしながら、
正解ではなく“しっくりくる表現”を探していった過程をぜひご覧ください。

1. 翻訳は“正しさ”より“子どもらしさ”

たとえば、こんなセリフ。

🐻「だっこして!」

AIの提案は “Can you hold me, please?”
丁寧で正しいけれど、ネイティブの子どもが絵本で言うなら…?
著者自身の感覚で、もっと自然な表現に言い直しました。

✅ “Can I have a hug?”
これは、アメリカの子どもたちが実際によく使う言い方。
ただの翻訳ではなく、“文化としてのことば選び”が必要な場面でした。

2. 動物ごとに異なる“感情のニュアンス”

この絵本には12組の親子動物が登場します。
それぞれの「感情」に合ったことばを、リズムと響きの中で探りました。

動物 感情 工夫した英訳表現
🐱 ネコ ごめんにゃん… “I went scratch, scratch—oops! I’m sorry, meow.”
🐻 クマ こわかった “I heard a big, loud sound!” → “Can I have a hug?”
🐧 ペンギン びっくり! “Zoom—then plop!” → “That must’ve really surprised you!”

3. 英語が得意じゃなくても大丈夫。AIは“相棒”になる

実は、AI翻訳はとても優秀です。
でも、そのままでは“正しいけど冷たい”ことが多い。

たとえばこんな流れで進めました:

  1. ChatGPTに下訳を依頼(読み聞かせ調で)
  2. 自分の中のバイリンガル感覚で「子どもらしい言葉」「文化的にしっくりくるか」を見直し
  3. 調整案をAIにフィードバックしながら再生成
  4. 読み聞かせとして口に出して、リズムや響きを最終チェック

ポイントは、“自分の感覚”を信じること。
たとえ英語が苦手でも、「あれ?ちょっと冷たいかも?」「もっとやさしい言い方あるかも?」と感じたら、それが翻訳の出発点になります。

4. 英語圏でも伝わる?KDPで出版してみた

翻訳を終えた英語版は、KDP(Kindle Direct Publishing)を通じて世界に公開。
Amazon.comでの販売も無事にスタートしました。

この絵本のような「感情をことばにする」テーマは、英語圏でもニーズがあります。
特にアメリカでは「SEL(Social Emotional Learning)」絵本のジャンルが広がっており、親子の会話や感情の理解を促す本は人気です。

5. 翻訳は、もうひとつの“創作”

私は、翻訳を“再構築”だと思っています。
英語に置き換えるだけでなく、

  • その感情はどんな響きで届くか?
  • 読み聞かせで声に出したとき、子どもは笑う?安心する?

そんな問いを重ねながら、
日本語の温かさを、英語のリズムに乗せて届けようと工夫してきました。

おわりに

英語が得意な人も、苦手な人も、
AIを“翻訳のパートナー”として活用すれば、
絵本の世界を広げることができます。

ただ大事なのは、「ことばは心を運ぶもの」という意識。
翻訳は、あなたの物語をもう一つの言語で“もう一度”語ることです。

🎉 おかげさまで、Amazonランキング1位に!

英語版絵本『You Know What? Today…』が、
Amazon.comのKindle洋書「Parenting 無料部門」で第1位を獲得しました!

「感情をことばにする力」をテーマに、
AIと一緒に翻訳しながら、ひとつひとつのセリフを丁寧に選びました。

読んでくださった皆さまのおかげです。
制作の裏側や翻訳の工夫について、本記事にまとめていますので、
これから挑戦する方の参考になれば嬉しいです。

※画像はAmazon.comランキングページ(Parenting › Top 100 Free)のスクリーンショットです(2025年7月時点)

Parentingカテゴリで1位を獲得した絵本のランキング画像

Parentingカテゴリで1位を獲得した絵本「You Know What? Today…」の表紙画像

Amazon.com 無料ランキング Parenting部門 第1位(2025年7月)

※画像は、2025年7月におけるAmazon.com内の「Kindle洋書 > Parenting」無料部門ランキングのスクリーンショットです。
著者自身の書籍に関する記録として掲載しております。

※出典|Source: Amazon.com “Kindle eBooks > Parenting” Top 100 Free Ranking (as of July 2025).
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